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PSMA-RLTは次の時代へ ― OPTIMAL-e試験が目指す「個別化治療」
PSMA標的放射性リガンド療法(PSMA-RLT)は、これまで主に転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)を対象に発展してきました。 しかし現在、より早い病期での治療効果を検証する新たな臨床試験が始まっています。 その代表が、オーストラリアのSt Vincent's Hospital Sydneyで開始されたOPTIMAL-e試験です。 より早期の前立腺がんが対象 OPTIMAL-e試験では、転移性ホルモン感受性前立腺がん(mHSPC)の患者さんを対象に、標準治療である アンドロゲン除去療法(ADT) アンドロゲン受容体経路阻害薬(ARPI) に加えて、TLX597-Txを併用します。 TLX597-Txは、Lu-177で標識した次世代PSMA低分子リガンドです。これまでの研究では、唾液腺や腎臓への放射線被ばくを抑えながら、PSMA陽性腫瘍への高い集積が期待されており、より早期の患者さんへの応用が検討されています。 最大の特徴は「Adaptive dosing」 OPTIMAL-e試験の最大の特徴は、Adaptive dosing(適応的投与)と


ASCO GU 2026:PYLARIFY® Registryが示したPSMA PETの臨床的インパクト
2026年ASCO GUでは、PSMA PET診断薬PYLARIFY®(18F-piflufolastat)のリアルワールドデータが発表されました。 今回報告されたPYLARIFY Registryでは、実際の臨床現場でPSMA PETが前立腺がん診療にどのような影響を与えているかが評価されました。(ASC Publications) 診断だけでなく治療方針にも影響 Registryの解析では、PYLARIFYによるPSMA PET検査によって、 病変の広がりをより正確に把握できる 治療方針の変更につながる症例が少なくない 医師の診断や治療選択に対する確信度が高まる ことが示されました。(ASC Publications) PSMA PETは「次の一手」を決める検査へ PSMA PETは単に病変を見つける検査ではありません。 検査結果をもとに、 局所治療を行うのか 全身治療へ切り替えるのか PSMA標的放射性リガンド療法(Lu-177やTb-161)の候補となるのか といった重要な治療方針の決定に大きく貢献します。 日本への期待...


「同じ量を全員に投与」で本当に十分?放射性リガンド療法の個別化を考える
近年、前立腺がんに対するPSMA放射性リガンド療法をはじめ、さまざまながんで放射性医薬品治療(Radiopharmaceutical Therapy:RPT)が広がっています。 そんな中、興味深いタイトルの論文が発表されました。 「Are Radiopharmaceutical Therapy Trials Designed to Undertreat?(放射性医薬品治療の臨床試験は、患者を十分に治療していないように設計されているのではないか?)」 この論文は、現在の臨床試験で一般的な「全員に同じ投与量・同じ回数で治療する方法」に疑問を投げかけています。 現在の治療は「画一的」 多くの臨床試験では、 決められた投与量(例:7.4 GBq) 決められた投与回数(例:6回) 決められた治療間隔(例:6週間ごと) というように、すべての患者が同じスケジュールで治療を受けます。 これは試験結果を比較しやすくするためには重要ですが、実際の患者さんは一人ひとり異なります。 「Undertreat(治療不足)」とは? 論文でいう「Undertreat」とは、患


AIで診察内容をもっと分かりやすく ― NLPとChatGPTの可能性
前立腺がん診療において、患者さんは診察で説明された内容の多くを忘れてしまうことがあるといわれています。 そのため、診察内容を分かりやすくまとめて振り返ることは、治療への理解を深めるうえでとても重要です。 最近発表された研究では、診察内容をそのままChatGPTで要約するよりも、NLP(自然言語処理)という技術を使って重要な情報を抽出してからChatGPTで要約した方が、より正確で分かりやすい内容になることが示されました。 セラノスティクス横浜では、患者さんとオーストラリアの専門医とのオンライン診察に、日本語通訳とバイリンガルスタッフが同席しています。診察後には、患者さんが安心して治療を受けられるよう、診察内容を日本語で分かりやすくまとめてお届けしています。 AI技術は日々進歩していますが、患者さんに本当に役立つ情報を届けるためには、人による丁寧なサポートとの組み合わせが欠かせません。今後はNLPやChatGPTなどのAI技術も積極的に活用しながら、より分かりやすく、より安心できる医療サポートを提供していきたいと考えています。


トルコ、前立腺がんに対するAc-225 PSMA治療を保険償還対象へ
トルコは2026年、Actinium-225(Ac-225)PSMA放射性リガンド療法を公的医療保険(SGK)の償還対象としました。これにより、転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)患者に対する標的アルファ線治療(Targeted Alpha Therapy:TAT)へのアクセスが大きく改善されます。 1. Ac-225 PSMA治療が正式に保険適用 トルコの医療実施規則(SUT)へ組み込まれ、公的医療機関で実施されるAc-225 PSMA治療が償還対象となりました。 これにより、高額な治療費が障壁となっていた患者でも治療を受けやすくなります。 2. 対象患者 保険適用となるのは以下の条件を満たす患者です。 転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC) 標準治療(タキサン系化学療法、ARPIなど)終了後 Lu-177 PSMA治療を少なくとも2サイクル受けても病勢進行、または4サイクル実施しても十分な効果が得られない患者 Ga-68 PSMA PET/CTでPSMA陽性病変を確認 核医学・腫瘍内科を含む多職種カンファレンスで適応判断...
世界のセラノスティクス
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