PSMA治療について

 
(PSMA標的内用療法をここでは「PSMA治療」と呼ぶことにします。)
よくあるご質問

A PSMA治療が進行性前立腺がんの患者さんに非常に高い効果を示した一方、期待した効果が見られなかった患者さんがいることも事実です。現在、どのような条件の患者さんに最も効果が期待できるか、ほかの治療との兼ね合いでどのタイミングで実施するのが適しているのか、などの研究が進んでいます。まだはっきりした基準は示されていませんが、ホルモン治療後の再発でPSA 100 ng/ml以下で貧血がなく、転移はリンパ節転移と骨転移に限られている患者さんに最も効果が期待できるのではないかといわれています。

Q1-1 PSMA治療はどのような患者に効果が期待できますか。

A ルテチウムというアイソトープ(放射性同位元素)はβ線という短い波長の放射線です。

これがPSMA抗体を見つけてそのレセプターに結合し、β線でがん細胞を攻撃するのでミクロの近距離戦です。またPSMA抗体を持たない普通の細胞には何もしませんから、外部照射のような被曝の影響を心配することはありません。

Q1-2 内部からの放射線治療は危険ではありませんか。

A PSMA治療は体表から放射線が放出されていることを想定して、治療の次の日までは同じベッドで寝ない、15分以上1m以内で過ごさない、トイレは2回流す、などの安全ガイドラインがあります。実際には体表からの放射線の放出量は極めて微量ですのでほとんど問題になることはありません。

Q1-3 治療後はしばらくの間は人と接触しない方がよいのでしょうか。

A 残念ながらPSMA治療が期待したほどの効果を表さない患者さんはいらっしゃいます。PSMA治療は世界でも超最先端治療ですので、どのような病状の方が治療に適しているかは未だ試行錯誤しているのが現状ですが、一般に、PSAが0.3ng/ml以下または500 ng/ml以上、内臓に転移がある、強い骨髄抑制がある、などの患者さんは効果が出にくいとされています。

Q1-4 PSMA治療が効かないこともありますか。

Q1-5 PSMA-PET/CTスキャンは特別なことをするのですか。

A ガリウム、またはフッ素の入った注射をしたのちに通常のCTスキャンと同様の装置で全身を撮影します。注射した物質は速やかに排出されますので、検査後は特に生活上の制限はありません。

Q1-6 がんがPSMAを持たない場合治療は受けられないのですか。

A ごく稀に前立腺がんの細胞にPSMAがないことがあります。 その場合は、PSMAを見つけることができないのでルテチウムが働くことができません。この場合にはPSMA治療はできません。

A 海外で抗がん剤と比較した試験でPSMA治療の有用性と安全性が証明されていることから、患者さんが希望されれば抗がん剤より先にPSMA治療を受けることは問題ありません。PSMA治療がのちの抗がん剤治療の妨げになることはありません。渡航まで時間がある場合には、先に抗がん剤治療を始めて、渡航の準備が整い次第抗がん剤治療を中断してPSMA治療を受ける患者さんもいらっしゃいます。

Q1-7 PSMA治療は抗がん剤治療が終わってからでないと受けられませんか。

A 原則として治療はルテチウムで行われます。アクチニウム治療は極めて特殊な症例に限られているので、患者さんが希望することはできません。アクチニウムはルテチウムに比較して世界的に入手しにくい治療薬なのでオーストラリアでも入荷が不安定です。現在のようにコロナ禍で14日間の強制隔離がある状況では、渡航日程との調整も困難です。

Q1-8 アクチニウム治療を希望することはできますか。

A アクチニウムのα線は極めて近距離で強いエネルギーの放射線を、ルテチウムのβ線はα線よりは長い距離ですがこちらも近距離で、比較的マイルドなエネルギーの放射線を照射してがん細胞のDNAに損傷を与えます。治療方法はどちらも外来で静脈注射です。 ただし、アクチニウムは極めて規制の厳しい放射線同位元素で世界でも医療材料として使用できる国が限られています。使用する患者さんにも細かな条件が課せられており、オーストラリアの医師による承認が必要です。また、入荷が不安定なため承認後にもルテチウムに変更されることがあります。

Q1-9 アクチニウムのα線とルテチウムのβ線のがんに対する作用はどう違うのですか。また治療方法は違うのですか。

A PSMAは主に前立腺がんの細胞に発現しているタンパク質ですので、今のところPSMA治療は前立腺がんの治療に限られています。ただ、今後研究が進めばほかの癌の治療にも応用範囲が広がるかもしれません。

Q1-10 PSMA治療は婦人科系のがんにも効きますか。

A 理論的にはPSMA-PET/CTスキャンで陽性であれば、PSMA治療は受けることができます。また、PSMA治療とは異なりますが、同じような方法でDOTATATE(ドータテートと読みます)とよばれる薬にルテチウムを結合し、治療することは可能です。幸いなことに、神経内分泌がんは2021年内を目途に日本において保険診療での内用療法(ルテチウムDOTATATE)が限られた医療施設において開始予定です。適応条件がありますので、主治医と相談してみてください。

Q1-11 神経内分泌がんといわれたのですが、治療は受けられますか。

A DOTATATEとは主に神経内分泌がんの診断と内用療法に用いるタンパク分子の名称で、オキソドトレオチドともいわれます。DOTATATEというタンパク分子に、放射性同位元素のルテチウムを結合させて静脈内に注射します。神経内分泌がんの多くは、細胞の表面にソマトスタチン受容体を持っています。ソマトスタチンと同じ物質と認識されるDOTATATEが、がん細胞のソマトスタチン受容体に結合すると、ルテチウムからβ線が放出され、がんに直接照射します。メカニズムはPSMA治療と同じです。

Q1-12 DOTATATEとは何ですか。

Q1-13 治療は何回まで受けることができるのでしょうか。

A 副作用が強く出ない限り治療回数には上限はありません。

A それぞれの患者さんの治療前のがんの状態(スタートライン)により、効果には個人差があります。そのような中で3-4回の治療を標準的なスケジュールとしてお勧めしています。ただし、1-2回の治療でも効果がないともいえません。治療回数については柔軟に対応いたします。

Q1-14 経済的に3回治療を受けることができないのですが、それでも効果はありますか。

A PSMA治療を受けるタイミングについては、病気の状態がPSMA治療に適しているかが判断の基準になります。PSMA治療の適応は次のようにお考えください。

 

  1. ホルモン抵抗性前立腺がんであること

  2. PSAが0.4以上で現在の治療でも上昇傾向にあること

  3. 海外渡航に耐えられること

 

そして、この治療は根治を目指す治療ではないことをご理解ください。

Q1-15 PSMA治療に適したタイミングはありますか?

申し込みについて

 

A 遠方からのお申し込みの場合、横浜へおいでになるのは大変かと思います。その場合は無料アプリのZoomを使ってビデオ面談もできます。まずはホームページの問診票に記入してお送りください。折り返しコーディネーターからご連絡いたします。

Q2-1 遠方からの希望者でも申し込みはできますか。

A 日本での初回面談、紹介状作成、オーストラリアの医師とのビデオ面談などがありますが、順調に行けば2-3週間で治療日程の提案があります。その後治療ビザなどの申請をして、渡航後は14日間の強制隔離があります。隔離後に検査と治療で1週間くらいかかりますので、申し込みから1か月半~2か月くらいで治療になる目安です。

Q2-2 申し込みからどれくらいで治療できますか。

A いいえ、ビデオ面談は難しくありません!

パソコンまたはスマホでもできます。

zoomという無料アプリを使って面談しますが、zoomについてはQ42をご覧ください。

オーストラリア人医師との面談には、日本人通訳が同席します。すべて日本語で大丈夫です。

Q2-3 ビデオ面談は難しくないですか。

A 抗がん剤の途中でもPSMA治療を受けることができます。ただし、骨髄抑制の副作用を避けるために、最終の抗がん剤治療から4週間以上の間隔をあけてからPSMA治療をすることをおすすめしています。

Q2-4 現在抗がん剤治療中です。PSMA治療を受けたいと思いますが相談できますか。

A はい、是非、お話してください。 理由は以下の2点です。

1 われわれは海外での治療をサポートしますので、これまでの治療経過を主治医から紹介状という形でいただき、英文の紹介状に書き換え、オーストラリアの医師に送ります。また紹介した結果は主治医に報告書として連絡を差し上げます。医学的な情報の交換は継続しますので、主治医の理解は必要です。

2 PSMA治療は完治を目指すものではなく長い前立腺がんの治療経過のなかで効果的にがんの進行を抑え込むことを目的としています。主治医に相談なくオーストラリアでPSMA治療をしたものの状況が悪化してしまい、その後に困ってから主治医に相談することになるとこれまでの信頼関係もおかしくなってしまいます。患者さんの立場から新しい治療法について率直に相談することは難しいと思われるかもしれませんが、PSMA治療後にも定期的な経過観察は必要です。主治医の理解はとても重要です。

Q2-5 主治医にPSMA治療を希望していることを話したほうがいいですか。

A はい、セカンドオピニオンとして面談の申し込みは可能です。セラノスティクス横浜の医師が、PSMA治療について、患者さんの疑問や質問に丁寧にお答えします。渡航についても、セラノスティクス横浜のコーディネーターが詳しくご説明します。

Q2-6 セカンドオピニオンとして面談の申し込みはできますか。

A はい、セカンドオピニオンでも主治医の紹介状や画像データが必要です。正確な情報に基づいた適切な判断のために、是非ご用意ください。

Q2-7 セカンドオピニオンでも主治医の紹介状や画像データが必要ですか。

A Zoomはお使いになるパソコンやスマートホンに専用ソフトをダウンロードすれば、どなたでも簡単にご利用いただけます。

ダウンロードは下記のサイトにアクセスしてください。https://zoom.us/jp-jp/meetings.html

事前に接続テストをご希望の場合はセラノスティクス横浜のコーディネーターが対応いたします。

Q2-8 Zoomを使ったことがありません。使えるかどうか不安です。

A 患者さんがPSMA治療に適しているのかどうか、PSMA治療を受けられるのかどうか、セラノスティクス横浜の医師が判断します。そのためには、これまでの治療や現在の状況、患者さんのご希望など、いろいろお話を伺う必要があります。患者さんのお顔を見ながらお話させていただきたいので、横浜へおいでいただくか、またはZoomを使ったオンラインでの面談をお申込みください。

Q2-9 PSMA治療を自分が受けられるのか相談できますか。

A PSMA治療の適応を判断するために、主治医からの紹介状と画像データが必要です。

また、面談料として33000円のお振込をお願いします。

Q2-10 初回面談には何が必要ですか。

治療・渡航について

 

A はい、家族同伴でも大丈夫です。

オーストラリアでは外来でPSMA治療が受けられるので、ご本人だけが入院することはありませんからご心配はいりません。普通の旅行のように家族と一緒にホテルなどに宿泊できます。また治療の間も一緒に病院でお待ちになることができます。PSMA PET/CTスキャンは約3時間、PSMA治療も約3時間かかりますので、病院で待つのもよし、あるいはショッピングや散策をされてもよいかと思います。

 

(2021年8月現在、シドニー市内はコロナ感染拡大防止の為ロックダウン中です。生活必需品以外のショッピングはできません)

Q3-1 家族同伴でも大丈夫ですか。

A 通訳はPSMA PET/CTスキャン施設の玄関でお待ちしています。PSMA治療の日には、治療を受ける病院の玄関でお待ちしています。それぞれの施設に滞在中は通訳がずっとご一緒しますのでご安心ください。

Q3-2 通訳の方とはどこで待ち合わせるのですか。

A PSMA治療にご家族がご一緒される場合、治療の次の日までは同じベッドで寝ない、15分以上1m以内で過ごさない、トイレは2回流す、などの安全ガイドラインがあります。宿泊はホテルでもコンドミニアムでも大丈夫ですが、ダブルベッドではなく、ツインベッドになさってください。コンドミニアムですとリビングスペースがあるのでゆったり過ごすことができると思います。またトイレが2つあるお部屋もコンドミニアムでしたらホテルより安く借りることができます。コンドミニアムにはルームサービスやレストラン、売店などはありませんが、お部屋にキッチンや洗濯乾燥機などもあるので快適な宿泊ができると思います。

Q3-3 宿泊はコンドミニアムとホテルのどちらがいいですか。

A はい、ビザは必要です。

コロナ前は観光ビザで渡航可能でしたが、現在は特別な医療ビザが必要です。

Q3-4 ビザは必要ですか。

A 治療を終えて帰国した後も、定期的な採血による経過観察の必要があります。検査結果をオーストラリアの医師と共有できるように、帰国後も主治医の先生のもとで血液検査を受け、結果をセラノスティクス横浜に送ってください。

Q3-5 帰国後の採血結果はどうするのですか。

スケジュール

A オーストラリアでの治療スケジュールを簡単にご説明します。

Q3-6 治療のスケジュールはどのようになりますか。

Q3-7 出国前PCR検査と帰国前PCR検査はどこで受けるのですか。

A 日本では自費でコロナPCR検査を実施するクリニックが増えております。ご出発の72時間前までに、ご自宅近くのクリニック等で出国前PCR検査を受けてください。オーストラリアでの帰国前PCR検査は、帰国日に空港の検査所で受けていただきます。この検査所では、日本政府指定の証明書用紙に結果を記入してくれます。早朝または深夜便をご利用の場合には、帰国前日に検査を受けていただきます。

Q3-8 ジェネシスケアとは誰ですか?

A ジェネシスケアはオーストラリア、アメリカなどを中心に、世界でも最先端のがん治療を提供しているメディカルサポート会社です。セラノスティクス横浜は、オーストラリアのジェネシスケアと協力して、日本では受けることのできないPSMA PET/CTスキャンとPSMA治療、DOTATATE治療を皆さまにご提供するサポートをしております。

Q3-9 シドニーで14日間の隔離生活は必要ですか。

A はい、必要です。オーストラリアに到着する全ての渡航者に州が指定するホテルで14日間の隔離が義務付けられています。 

Q3-10 自己隔離は有料ですか。

A 費用は自費で1人A$3,000がかかります。

隔離ホテルには、医師と看護師が待機しており、費用には食事と2回のPCR検査が含まれております。後日電子メールで請求書が届きますので、クレジットカードでお支払をお願いします。

Q3-11 治療のたびに帰国する必要がありますか。

A 治療の度に帰国せず、3回~4回の治療が終わるまで滞在することもできます。

PSMA治療は通常8週間おきに実施しますが、長期滞在をされる場合、オーストラリアの医師の判断により治療サイクルが短くなる場合もあります。

交通手段

A 3つの方法があります。簡単に特徴をご説明します。

Q3-12 宿泊先から病院までどうやって行きますか。

A オーストラリアでは、血液検査を受ける施設が日本とだいぶ違います。日本では血液検査は病院やクリニックで受けますが、オーストラリアではDHMという検査専門所へ行って受けます。このDHMはシドニー市内に何か所もあり、患者さんにとっていちばん都合のよいDHMで検査できるように、ジェネシスケアが手配してくれます。 また、ご希望の方には日本語の電話通訳、送迎サービスの手配もいたします。

Q3-13 宿泊先から血液検査施設までどうやって行きますか。

Q3-14 帰国後の経過観察はどのようにやるのですか。

A 治療期間中は決められた時期に血液検査を受けて、その結果をセラノスティクス横浜へ送ってください。セラノスティクス横浜の医師とオーストラリアの医師とで結果を共有し、治療後の経過を評価しながら観察を続けます。

A PSMA PET/CTスキャンとPSMA治療の時には、日本人通訳がずっと付き添いますのでご安心ください。通訳はそれぞれの施設の入口または受付で患者さんをお待ちします。

血液検査のときには、電話通訳を手配します。血液検査の用紙を受付に出すと、DHMのスタッフが日本人通訳に電話してくれます。

Q3-15 英語ができません。治療や血液検査のときどうすればいいですか。

A 現金を使うことはまずないので、現金はなくても大丈夫です。1ドルでもクレジットカードで払えます。 長期滞在の場合には、ホテル代や送迎代などの支払いに、クレジットカードをたびたび使います。限度額を高めに設定しておくか、カードを何枚か用意しておくといいです。オーストラリアではVISAとMASTER以外のカードは使えないところが多いのでご注意ください。

Q3-16 現金は必要ですか? いくらぐらい持って行けばいいでしょう?

支払いについて

 

A 治療費は海外送金またはクレジットカードでジェネシスケアに支払ってください。 (現在セラノスティクス横浜が代理受領する準備を進めております)

Q4-1 治療費はどのように支払いますか。

 

その他

A 海外の医療費は日本の国民健康保険への請求はできません。ただ、患者さんが任意で加入されている民間の医療保険、がん保険、あるいは生命保険の契約内容によっては請求可能な場合があるかもしれませんので、契約のある保険会社に問い合わせてみてください​。

Q5-1 治療費は保険請求できますか。