PSMAとは…
PSMA (前立腺特異的膜抗原:Prostate Specific Membrane Antigen)は、前立腺がん細胞の表面に強く発現しているタンパク質です
前立腺細胞の表面には、前立腺特異的膜抗原(PSMA: Prostate Specific Menbrane Antigen)と呼ばれるタンパク質が存在していることが知られています。PSMAは前立腺細胞が癌になると強く発現し、特に悪性度が高かったり進行性に転移をすると数十~百倍も強く発現するようになります。このPSMAを診断や治療に使うことができないか。以前から世界中の研究者が研究を続けています。
似たような名前の前立腺特異抗原(PSA: Prostate Specific Antigen)は広く知られています。PSAの特徴は、分泌タンパクという点です。つまり、前立腺細胞が精液中に分泌しているもので、細胞の中に存在して表面には顔を出していません。血液中に存在するPSAを測定することで前立腺がんの状態を推測することができるため、前立腺がんの検診や病勢の評価に使われています。
一方、PSMAは細胞膜に埋め込まれるようにして存在していますので、血液中には検出されません。しかし、細胞表面に顔を出していることを利用して、そのPSMAを選択して結合する分子がいくつか開発されました。このような特別な物質にのみ結合するように設計した物質を分子標的物質といい、様々ながんや難病の治療に広く用いられています。
PSMAは、分子標的治療の標的としてだけではなく、治療後に再発転移を起こした前立腺がんを早期に見つけるための診断ツールとしても、国際的に大きな注目を集めています。
PSMAセミナー【第1回】PSMAとは
セラノスティクス横浜 代表理事・車 英俊が解説します。
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